2026年5月15日に、私たちコアゲートの会社サイトをリニューアルしました。
その2か月後、検索結果に表示されるページ数が、月36ページから6ページまで減りました。
8割以上の減少です。
クリック数も月67回から34回へ、ほぼ半分になりました。
原因を調べると、旧サイトで公開していた47本のページが、すべて「存在しないURL」になっていました。
転送の設定は1本もありませんでした。
Web制作とCMSの開発を仕事にしている会社が、自分のサイトでこれをやってしまいました。
恥ずかしい話ですが、同じことはどの会社のリニューアルでも起こりえます。
この記事では、何が起きたかを数字で並べ、立て直しの順番と、次のリニューアルで最初に確認したいことを書きます。
リニューアル直後には、何も起きなかった
最初に知っておいてほしいのは、数字はリニューアル直後には落ちなかったことです。
Google Search Console の月ごとの実測を並べると、こうなります。
| 月 | 出来事 | 検索に出たページ数 | 表示回数 | クリック |
|---|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 旧サイト稼働 | 34 | 602 | 54 |
| 2026年5月 | 5/15 リニューアル公開 | 37 | 705 | 92 |
| 2026年6月 | 旧URLがまだ検索結果に残る | 31 | 883 | 111 |
| 2026年7月 | 旧URLがまとめて外れる | 7 | 649 | 77 |
| 2026年8月 | 表示回数・クリックにも波及 | 6 | 355 | 28 |
| 2026年9月 | 低いまま(9/18時点) | 6 | 289 | 25 |
※表示回数は、後で書くスパム記事1本を除いた値です。
5月も6月も、表示回数はむしろ増えていました。
私たちも、この時点では「リニューアルはうまくいった」と思っていました。
ところが6月まで数字が保たれていたのは、旧URLがまだGoogleのインデックスに残っていただけでした。
検索結果には旧ページが出ていて、クリックすると404が返る状態です。
7月にGoogleがそれらをまとめて外したところで、露出ページ数は31から7へ落ちました。
リニューアルの成否を公開翌週の数字で判断すると、この遅れを見落とします。
私たちは、少なくとも3か月は月ごとの露出ページ数を追うべきだったと思っています。
原因は旧URL47本の転送漏れと、受け皿の不在
旧サイトには、制作実績18本・JOURNAL(海外視察などの読み物)23本・お知らせ6本、合わせて47本の個別ページがありました。
新しいサイトでは、これらのURLをどれも引き継いでいませんでした。
URLが変わる時は、古いURLから新しいURLへ301リダイレクト(恒久的な転送)を設定するのが基本です。
私たちのCMSにも転送を書く設定ファイルがあり、そこが空のままでした。
外部のサイトから張られていたリンクも、Googleが旧ページに積み上げていた評価も、行き先を失いました。
もう一つの原因は、転送しようにも転送先が無かったことです。
新しいサイトの公開URLは52本から10本に減っていました。
制作実績は1ページに6社を並べただけになり、JOURNALは受け皿ごと無くなっていました。
本番サーバーのアクセスログを見ると、直近4週間で旧URLへのアクセスが71件あり、全件が404を返していました。
中には、何年も前の別の世代のURL形式で来ているものもありました。
外からのリンクは生きていて、こちらが受け取れていなかっただけです。
失ったのは、社名を知らない人との接点
検索キーワードを分けてみると、何を失ったのかがはっきりしました。
社名やその綴り違いで探す「指名検索」は、表示回数が333回から349回、クリックが151回から202回と、むしろ増えていました。
既に私たちを知っている人は、リニューアル後もちゃんと来てくれていました。
減ったのは、手がけた案件の名前や、サービスの名前で検索する人です。
表示回数は96回から53回に、クリックは3回から0回になりました。
実績の名前で検索して、初めてコアゲートという会社を知る。
制作会社にとって、この経路は新しいお客さんとの接点そのものです。
もう一つ、数字を読む時に気をつけた点があります。
旧サイトには英語のスパム投稿が1本だけ残っていて、それが2026年4月に月222回も検索結果に出ていました。
クリックは1件もありません。
リニューアルでこの記事が消えたぶん、総表示回数は自然に下がります。
そのまま比べると減り方を大きく見積もってしまうので、上の表はこの記事を除いた値にしています。
立て直しの順番と、すぐには戻らない理由
原因が分かってからは、次の順番で手を入れました。
- 今あるページで受けられる旧URL 25本(制作実績19本・お知らせ5本・プライバシーポリシー1本)を、先に301転送した。
- JOURNALの記事23本と一覧ページを新しいサイトに戻し、旧URLから転送した。
- 旧サイトのお知らせのうち、今も意味のある4本を移した。
- サイトマップを直し、記事の一覧ページを足した。
- CMS「コンテナ」の紹介ページを新しく作った。
本番に入っている転送は、2026年10月5日の時点で48本になりました。
順番には理由があります。
転送は、転送先が無ければ作れません。
だから最初は、今あるページに向けられる25本だけを先に入れました。
JOURNALのように受け皿ごと消えていたものは、ページを戻してから転送を足しています。
いきなり全部をトップページへ転送する方法もありますが、Googleはそれを「ページが無くなった」と同じように扱うことがあるので、私たちは選びませんでした。
ただし、転送を入れた翌日に数字が戻るわけではありません。
落ち込みがリニューアルの2か月後に出たのと同じで、Googleが新しいURLを評価し直すまでには、数週間から数か月かかります。
すぐに数字が動かなくても、設定が効いていないわけではない。
社内にも、そう説明しておくことが大切だと感じました。
制作実績の個別ページは、まだ作っていません。
クライアント名や画面を載せるため、公開してよいかを1社ずつ確かめる必要があるからです。
直したのは全部ではありません。
足りないものが何かを、表にして分かる状態にしたところです。
次のリニューアルで、公開前に確かめたい3つのこと
同じ失敗をしないために、私たちが次から必ず確かめることを3つに絞りました。
1つ目は、旧サイトの全URLの一覧を作ることです。
サイトマップだけでは足りません。
アクセスログと Search Console の「ページ」を見て、今も人や検索エンジンが来ているURLを拾います。
私たちの場合、サイトマップに無い古い形式のURLにもアクセスが残っていました。
2つ目は、一覧の1行ずつに「転送先」か「消す理由」を書くことです。
転送先の欄が埋まらないURLがあれば、それは新しいサイトに受け皿が無いという合図です。
デザインを作る前にこの表を作っておけば、ページ構成の段階で気づけます。
3つ目は、公開してから3か月、露出ページ数を月ごとに見ることです。
表示回数やクリックより先に、ページ数の減少が出ます。
7月の落ち込みも、ページ数の欄を見ていればすぐに分かりました。
リニューアルの準備そのものについては、#01「Webサイトリニューアルの準備。何から始めればよい?」に書いています。
#01|Webサイトリニューアルの準備。何から始めればよい?
CMSの機能で防げたこと、防げないこと
私たちが作っている CMS「コンテナ」には、管理画面から301転送を登録できる機能があります。
ただ、今回の件は機能があっても起きました。
転送の仕組みはあっても、何をどこへ転送するかの一覧が無ければ、空のままになります。
CMSを移す時に大事なのは、機能の有無より、移行の作業の中に「URLの棚卸し」が入っているかどうかです。
他のCMSからの移行で私たちが何を確かめているかは、製品サイトの移行のページにまとめています。
今回の数字は、公開から4か月かけてようやく見えたものです。
リニューアルを考えている方は、デザインの話を始める前に、今のサイトのURLを一度書き出してみてください。
コンテナそのものについては、コアゲートのサービス紹介 で紹介しています。

